- 鑢
鑢には、金属鑢と紙やすりがある。
私は結局、金属鑢を使用するのは止めて、紙やすりだけで作業を行なっている。
紙やすりには番手と言うものがあり、100番〜2000番まであるようで、番手の数字が小さい程粒が粗く大きく削れ、番手の数字が大きい程細かく削れ、綺麗な表面が出る。
使用方法は、番手の数字の小さいものから使用し始め、徐々に数字を上げて行く事で、以前使用していた番手の傷を消す効果が得られる。
紙やすり裏面に両面テープを2枚並行に貼り、田宮調色スティックのヘラの面に合わせてカッターで上端を残して短冊状にカットし(ここで完全に切り離すと番手が分からなくなるので上端を切らずに残しておくことが重要である)、短冊裏面の端に番手を記入し、調色スティックのヘラに貼って使用するのが、一番効率が良い。
私は荒削りが必要な場合は田宮フィニッシングペーパー160番で始め、次に耐水ペーパー600番で傷を消し、塗装前の仕上げに田宮フィニッシングペーパー1000番で表面出しを行なっている。
- 表面出し
表面出しとは、合わせ目消しや、形状変更などの改造の際に表面を仕上げるまでの作業のことである。
手順として、盛りつけ、穴埋め、表面仕上げがある。
エポパテは盛り付け用、ポリパテは穴埋め用、ラッカーパテは表面仕上げ用。
形状出しの表面仕上げのコツとしては、形状に感情移入出来ると綺麗に仕上げることが出来る。
感情移入とは、形状の気持ちになって、紙やすりをヘラに貼り付けて使い、切削面に注目しながら平面に平行になるように削って行くことである。
ここで形状の気持ちになることが大切である。
少しでも集中力を切らし、てけとうに削ってしまうと削り過ぎてしまい、パテからやり直す羽目に陥ってしまうので集中力が足りないときは作業を休むのが結局は早く仕上がるので良いのである。
- 筋彫り
ケガキ針は細い線が得意であるが、使用には技術を要する。
エッチングソーは細いと言っても幅があるが、直線が得意なため、比較的容易に使用可能である。
- 表面出し作業
合わせ目消し作業の仕上げやヒケ埋め作業となる表面出し作業は、パテとサフ(サーフェイサー)塗装の組み合わせで実現するものである。
ここで、モールドの彫り直しも必要になる場合がある。
下記項目の内、2., 3.のパテとサフ塗装は何度も繰り返す場合が多い。
- 接着・ヤスり
合わせ目消し作業の始めには、パーツの接着を行ない乾燥させてから、表面を綺麗に出すため鑢でヤスる作業を行なう。
鑢でヤスる場合は、荒削りが必要な程凸凹なら、160番程度で荒削りし、600番で傷埋めし、1000番で仕上げを行なえば充分である。
接着してから鑢で荒削りするが、表面が出ない事を前提で削り過ぎないように注意する必要がある。
それからプラセメントは表面から先に乾き、内部まで乾くのにタイムラグが発生するため、表面が乾いた段階で粗削りし、ざらざら表面にして乾燥を速める手段がある。
- パテ・ヤスり
接着だけでは表面が綺麗に出ない事が多々あるので、最適なパテを使用して凹みや細い穴などを埋める作業を行なう。
パテも然り、一度のパテ埋めで綺麗な表面が出るとは思わない方が良い。
光のシェード(陰)をうまく利用して、表面にでこぼこが無いかどうか確認すれば良い。
電気スタンドなどの光にパーツを斜めにかざして、やすり中に表面を確認するのである。
凸凹かどうか分からないようになったら、サフ塗装に入るべきタイミングである。
- サフ塗装(表面確認下地)・ヤスり
サフ塗装を行なったら、表面が仕上がっているかどうか電気スタンドの光に当てて確認する。
表面に凸があればヤスって削り、凹があればパテからやり直して、再びサフ塗装を行なう。
- サフ塗装(塗装下地)
サフ塗装で傷が見えなくなったようであれば、塗装に入る。